2016年04月08日

ジェリコです。

今回のご依頼はこやつです。

ハドソンのGBB ジェリコ941
ジェリコです。

ご依頼内容は「とにかく動くようにして欲しい・・」
との事でした。
症状はブローバックしない、ジャムる・・との事。

ガスブロでジャム?って感じなんですが、実際過去にはジャムるガスブロ マルシンM1カービンCDXってのも調整しましたら、有り得ない話ではありません。
とりあえず届いたジェリコを確認すると、ジャムというかジャムってスライドが止まるような位置でスライドが止まってしまっています。
BB弾がフィードランプに引っかかって止まるのでは無く、弾が入って無くてもスライドが止まります。
マガジンの抵抗か?
とも思いましたが、トリガーを放すとスライドが前進します。
ジェリコはトリガーバーを直接スライドが押し下げてディスコネクトする構造です。
どうやら、ディスコネ抵抗が原因でスライドが前進を妨げています。

ジェリコです。

フルバックの位置からスライドを放すと、何とか閉鎖する所まで前進するんですが、実際BB弾が入ってるとその抵抗で動かなくなるくらいの勢いしかありません。
とりあえず、擦りあわせを行いある程度スルスルに動くようにします。

しかし、まだ動きが渋い?と言うかぬるい感じです。

この時期のガスブロはマガジン温度で性能がかなり左右されます。
暖かくなったとは言えやはり冷えてるか?
かるく温めてみたところ、マガジン内圧が上がってバルブからガス漏れです・・・

ホンマ・・とほほ・・って感じです。

仕方なく放出バルブを分解して、合いそうなOリングを何種類か試してみましたが、なかなかガス漏れが止まりません。
よくバルブ内のスプリングがカットされているではないですか!
しかも、放出バルブに似つかわしくない線径の太さです。

依頼者に確認したところ、放出バルブは触ってないとの事。
オークションで入手した物らしく、前オーナーかどこかのショップの仕業ですね。

仕方なく、合いそうなスプリングを探す旅に・・(店内ですが・・)

10数本のなんとなく合いそうなスプリングを見つけて、一番相性の良いスプリングを探します。
複数のスプリング+複数のOリングで組み合わせは・・気が遠くなります。

やっとの思いでベストセッティングな組み合わせを見つけましたが、まだ若干ガスが漏れます。
よく見るとこのジェリコのマガジン。最近のマルイなどのマガジンと違って、ガス内圧がバルブの内側にかかるタイプ。
つまり内圧が上がれば、バルブは自然に開いてしまいます。
ガス圧を抑えているのはバルブ内のスプリングのテンションのみです。

恐らく、前のオーナーさんはバルブスプリングのテンションを上げる事でガス漏れを防ごうとしたんでしょうが、これでは正常に動くだけのガスを放出できません。合わせてハンマースプリングの強化を行っていればガス流量は増えますが、今度はスライド後退時の抵抗が大きくなります。
こうなるともう”イタチゴッコ”です。

若干のガス漏れはあるものの、とりあえず実射テストをしてみます。
作動は完璧です。
フル装弾で撃ち切れますし、弾道も15mレンジでほぼ規定値内に収まっています。
間隔を開けて撃てばスライドストップもかかります。

若干のガス漏れは構造上どうしようもありません。
依頼者さんも、サバゲーで使う訳ではなく少し撃って遊ぶレベルと言う事なので、若干のガス漏れは了解して頂けました。

ハドソンと言うメーカー。他ではモデルアップしない物を沢山作ってくれたメーカーなんですが、モデルガンであれガスガンであれ、ちゃんと動くモデルは皆無に近いんですよね・・

今のマルイのガスガンしか知らない方には、なかなか理解して貰えないんですが、メーカーの基本設計が間違っていて”動かない”なんて物は沢山存在します。

オークションなどで珍しい品物を買う方は、十分理解して買って下さいね。
因みに今回の依頼者さんは、その辺りを十分理解して頂ける方でした。



Posted by マッドポリス at 22:13│Comments(0)
 
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